JR学研都市線交野新駅誘致のまちづくりニュース

シリーズ5

2026年6月10日


JR学研都市線新駅誘致の寺・向井田まちづくり

 

令和4年10月に発足した交野市寺・向井田まちづくり検討会は大阪府第二京阪沿道まちづくり方針(令和7年3月発表)が認定する交野市唯一の民間まちづくり組織である。

 

寺・向井田検討会は、令和5年4月の第2回総会において、このまちづくりはJRの新駅を誘致するといった気宇壮大なものであるため、寺・向井田の地権者だけでなく、青山地区の地権者並びに交野市及び市議会の協力が必要であるとし、次のまちづくり趣意書を議決した。


「JR学研都市線交野新駅設置を踏まえたまちづくり趣意書」

 

寺・向井田地区は、交野市の東側に位置し、交野山の山麓にひらけた美しい田園地帯である。

 

交野市そのものが、大阪府、京都府、奈良県の3大都市からほぼ等距離に位置するため、古来より地政学上の要衝の地であった。また、この20年の間では、市の社会教育施設「いきいきランド」の開設や第二京阪道路が開通するなど、当地区のポテンシャルを高める変化がもたらされた。

 

ただ、当地区は立地的にもJR河内磐船駅だけではなく津田駅までも遠いため、過去にJR学研都市線「交野新駅」の誘致の検討がなされたものの、当時は営農意欲が高く、検討の空白の期間が生じることとなった。

 

近年では、農業に携わる方の高齢化も進み、後継者が不足するなど営農環境がひっ迫する状況となったこともあり、これまでの営農意欲がまちづくりの機運へと変化したことを受け、まちづくりを検討するための組織の立ち上げとして、令和4年10月に当会が設立されたものである。

 

こうした機運の高まりを好機と捉え、当地の優れた立地環境を活かし、交野市の活力が将来にわたって維持されるまちづくり、“いきいきと人々が集い、若い世代から選ばれるまち”、レジリエント(しなやか)なコンパクトシティを目指す方針「まちづくり構想」を示した。

 

方針の実現には「交野新駅」を誘致すること、そして京都・大阪間東部地区中核都市としての都市基盤の整備が進められることを当会として強く望む。

 

令和5428日 

交野市寺・向井田地区まちづくり検討会


JR新駅まちづくり助成金9,800万円

 

交野市議会は大阪府認定の寺・向井田まちづくり検討会の設立と活動に呼応するかのように向井田地区まちづくりに関する次の一連のまちづくり助成金を決議した。

 

令和4年度

寺・向井田まちづくり業務委託:3,000万円

 

令和5年度

JR学研都市線新駅調査費:     700万円

寺・向井田まちづくり業務委託:2,200万円

 

令和6年度

寺・向井田まちづくり基本計画:3,000万円

(令和8年都市計画決定目途)

JR学研都市線新駅調査業務:          900万円

 合 計                                              9,800万円

 

こうした一連の動きの中で、令和5年10月の検討会役員会において交野市より青山・神宮寺地区(19ha、地権者135名)を加えたいとする提案があった。新駅を誘致するには、向井田地区だけでは不可で、青山地区との協調は避けて通れない。役員会は交野市の提案を了承した。そして、ここから2年余りにわたる交野市の迷走と我が検討会の停滞と混乱が始まるのである。

 

進まぬ青山地区組織化

 

交野市が担当する青山・神宮寺地区の組織化は1年半たっても一向に進まない。これに取り組む都市まちづくり部は責任を追及されるだろう。大阪府庁で都市計画一筋だった交野市都市まちづくり部T部長は令和7年3月に寺・向井田(地権者80名)と青山・神宮寺地区(135名)に呼びかけ、交野市寺・向井田、青山・神宮寺地区まちづくり協議会設立準備会世話役の募集を行った。

 

寺・向井田から16人、青山・神宮寺地区から4人、計20人の応募があった。それぞれ地元の寺・青山・神宮寺地区の集会で選ばれた人たちではなく、市による一本釣りに自主的に応募したまじめな人たちである。この世話役会の不平等については、シリーズ3で説明した通り。

 

寺・向井田まちづくり検討会「解散」総会が第1関門

 

世話役会は令和8年4月27日の2回目の会合で寺・向井田、青山・神宮寺地区まちづくり協議会設立総会の議案書(規約、役員、事業計画、予算)を決めることになった。

 

私は事前に設立総会議案書一式を入手していた。この設立総会を立ち上げるためには、その前段階として大阪府が認定している唯一のまちづくり組織である交野市寺・向井田まちづくり検討会の「解散」総会を開く必要があった。これを避けては前へは進めない。招集者は会長の私岡市敏治である。

 

2年間も停滞しているJR新駅まちづくりを早く進めたいのは、市議会も準備会世話役会も検討会会長の私も同じで利害は一致する。私は4月20日付けで山本市長に書簡を送った。

 

1.令和8年4月27日19:00より交野市役所別館3階にて寺・向井田、青山・神宮寺地区まちづくり協議会設立準備世話役会が実施される。

 

2.新たに協議会を設立するには、現存する寺・向井田まちづくり検討会の「解散」総会を招集しなければならない。

 

3.世話役20人の内8名は検討会役員(全10名)であり、検討会の第15回役員会をその場で開き、「解散」総会の手順を決める(15分程度)

 

4.ついては、その旨、事務局の都市まちづくり課に指示して。

 

交野市部長、寺・向井田会長と監事を実力阻止

 

その当日4月27日に驚くべき事態が発生した。私岡市会長は残る役員の監事と2人で、19時に交野市役所別館3階に赴いた。すると会議室のドアの前には都市まちづくり部T部長が仁王立ちしている。私たち役員2人の入室を実力阻止しようとしたのである。押し問答は1時間つづき準備会の会合を終えた世話役20名の人々は表情を硬くして粛々と帰路についた。T部長はなぜ会長と監事の入室を阻止したのか。市長はこの事実を承知しているのか。

 

「役員任期切れ」で役員会を分断

 

平和なときは国民は憲法など忘れている。自治会でもPTAでも問題なければ「規約」の存在など意識しない。そんな中で現実に「規約」による事件が起こった。

 

都市まちづくり部が業務委託契約を結んでいる日本工営都市空間(株)は、まちづくりを支援する企業で検討会設立当初から規約を作り、議案、議事録作成等でまちづくりをサポートしてきた。役員任期は2年と規約5条に明記してあり、その期限は令和6年10月21日である。しかるに「令和6年10月2日付けで役員任期満了」を役員会に告知せず、その10か月後に「任期満了」を認識した役員会を混乱に陥れた。事務局である都市まちづくり課はこれを放置し、むしろ役員間を分断させ、会長は役員会を招集できない事態となった。

 

任期切れの中、令和6年12月23日に第14回役員会を開催している。次長以下日本工営は4名が出席した。議事録を作成するためである。任期切れの中の役員会であるが、役員は誰一人そのことに気付かず、日本工営による「役員任期切れ」の告知は一切なかった。この役員会は有効なのだろうか。

 

日本工営は令和4年の検討会設立当初から、足掛け4年、都市まちづくり部と数千万円規模の業務委託契約を結んでいる。しかるにサポートすべき検討会を不作為によって機能不全に至らしめたことは重大な業務委託契約違反である。

 

JR新駅まちづくり助成金9,800万円、死に金に

 

JR新駅まちづくりの唯一の実行組織である寺・向井田検討会は業務委託業者日本工営と都市まちづくり部の不作為により2年近く機能を停止しており、市議会議決の税金9,800万円は死に金となっている。

 

さらにここに記さなければならないのは、この助成金9,800万円のJR新駅まちづくり調査の報告書、成果物はそれを最も必要とする検討会に一切提示されていないという事実である。

 

私はその成果物の1つ「JR新駅業務報告書概要版」(2024年3月、全17ページ)を最近入手したが、それは民間の開発業者を通じてである。

 

なぜJR学研都市線新駅まちづくりはこのような状況に陥ってしまったのだろうか。シリーズ6で交野市まちづくりの実態について書く。

 

発信者:岡市敏治