5. 第二京阪道路沿線『枚方南部企業団地』誕生(2019年8月)

 

令和元年7月19日、枚方市・交野市茄子作南土地区画整備組合(理事長:岡市敏治)の竣工式典がひらかた仙亭で開催され、第二京阪道路交野南インターに隣接する『枚方南部企業団地』が誕生、まちびらき宣言をした。

 

第二京阪沿道まちづくりとしては、枚方、交野として最初の成功事例であり、伏見隆枚方市長、黒田実交野市長、北本明北大阪商工会議所会頭が竣工式でその壮挙を祝った。

 

同茄子作南地区は、枚方市南部の第二京阪沿道に位置し、平成20年に結成された茄子作高田地区まちづくり協議会が先行事業として取り組んできたものである。

 

当協議会は同地の二国を挟んだ北側に展開する広大な丘陵地区である茄子作地区21haの調整区域農地についても引き続きまちづくりの検討をすすめるべく、平成30年に茄子作地区まちづくり検討会(岡市敏治会長)を設立した。

 

茄子作南に続き、同地区のまちづくりが完成すれば全25ha、第二京阪沿道を代表する『枚方南部企業団地』が誕生することになる。

 

二国沿道まちづくりトップバッター

 

枚方市南部に位置する茄子作は、今から580年前の室町時代に創建された春日神社を中心とする歴史と伝統を持った由緒ある地域であり、この一帯は古来交野ケ原と言われ、平安貴族の遊猟地として和歌にも詠まれた景勝の地である。

 

生駒山系から流れ出て、この地を淀川へと北流する天の川は、七夕伝説発祥の地としても有名であるこの地は父祖伝来の農地として利用されてきたが、道路のない傾斜地による段々畑の地形では、高齢者の持続的営農は困難な状況であったことから、新たな土地活用を求める地権者が数多く存在していた。

 

平成22年3月の第二京阪道路開通により、当地区の交通の利便性が劇的に向上したため無秩序な乱開発を危惧する声も聞かれていた。茄子作・高田地区まちづくり協議会(会長:岡市敏治)が平成20年に発足、枚方・交野市の協力の下、土地区画整理法による計画的なまちづくりが進められてきた。

 

茄子作地区全体の先行事業として「茄子作南町」の開発計画に着手したが、当南地区は枚方市及び交野市の市境に跨っていることから、府の認可が必要となり、また枚方・交野両市の都市計画決定が必要などの多くの困難があった。

 

そんな中、いち早く進出の名乗りを上げたのが、幸福米穀を一代で築きあげた北大阪商工会議所の北本明会頭であった。この北本会頭の協力が得られたことで、開発計画は安定的な軌道へと乗ることになった。

 

平成28年の都市計画決定により、当茄子作南地区が準工業地域へと位置付けられたことから、第二京阪道路の利便性を生かした流通、事務所、工業施設などの立地をフル活用したまちづくりが可能となった。

 

幸福米穀を中核的企業として、旭化工、東急不動産の3社が進出することになり、業務代行者に清水建設、幸福米穀、ホクシン建設を定め、清水建設施工の下、交野南ICに隣接する茄子作南地区4haの開発へと平成28年10月から着工した。

 

幸福米穀及び旭化工はすでに今年始めより操業を開始している。東急不動産の物流倉庫も6月末に竣工した。当地区東側の準工業地域は、ノポル電機、さらに京阪鋼材が企業進出を予定しており、この2社を含め枚方南部企業団地が形成されることになる。

 

茄子作25ha大規模開発の将来像

 

今回の茄子作南地区(4ha)の先行事業に続き、次に茄子作地区(21ha、地権者100名)の開発が検討されており、茄子作地区まちづくり検討会を平成30年に結成した。同地区は、標高30mで津波の心配がない強固な台地上にあり、過去1500年間大きな災害がなく、災害回避地としては申し分ない土地である。

 

また、北河内での商業を生業とする企業においても、枚方・交野・寝屋川3市の境界に位置していることから、3市の中心点からいずれも車で10分以内で移動でき、商業立地に優れている。また、通学・通勤などの交通面においてもJR学研都市線と京阪電鉄各駅に徒歩およそ18分で通学・通勤が可能となっており、さらに緑の田園も残していることから、住環境にも恵まれている。

 

茄子作地区は、京都・大阪・奈良三大古都までほぼ20~25㎞の範囲に位置していることで、産業・商業・住宅立地の大きなポテンシャルを有する京阪神地区に残された最後のフロンティアの一つとされている。

 

「モノづくりとソフトの融合」をテーマにクリエイティブな空間構築可能な企業団地を目指しており、そのためのパンフレット「Make Tomorrow 明日をつくる街、なすづくり」を作成し、全国の企業へ、茄子作地区の魅力をPRしていく。

 

本年度を目途に事業化検討パートナーを選定し、民間企業が有するまちづくりのノウハウを最大限に取り入れ、令和2年度には準備組合を結成するということで、今後の枚方市の発展に大きく貢献するとし期待されている。

 

なお、前記のパンフレットは、枚方市都市計画課、北大阪商工会議所またはコスモ情報センターで入手可能である。